樹木の雄大さを伝えたくて、落葉の季節を迎えた大木に寄り添い、枝ぶりを描く。幹から太い枝、細い枝、空へと線を延ばす。そのイメージを写真で撮影。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛

§06 部分を延ばせ!


「たくさん書きなよ」って言われても…。

「書くのが苦手…」な人は、苦手意識が先に来て、途方に暮れてしまいがち。
そして筆を止め、他の事を始めちゃう。でも、それじゃダメなので、なんとか書き続けるテクをお教えします。

オススメは、自分の経験を文として少しずつ延ばしていくトレーニングです。実際にどうやるか、今から説明します。

まず何か、自分の経験を書けるようなテーマを用意します。たとえば、「写真を見て感激した経験を教えてください」というテーマを選んでみます。このテーマについて「書くのは苦手」を自認するAさんが次のように書いて筆を止めた、としましょう。

「友だちからもらった葉書にあった海の写真に感激しました。」(終わり)

この文を、Aさんに延ばしてもらうんです。たとえばこんな風に。

「Aさん、ここに出てくる友だちってどなたですか? ちょっと書き添えてみて」

Aさんは、こう書き加えたとします。(*赤字が書き添えた部分)

私には中学校から高校まで一緒だった山本さんという友だちがいます。その山本さんからもらった(以下、同じ)」

これで少し文は長くなりました。同時に、文の内容が少し伝わるようになりました。

さらに、ここから。
Aさんに、もう少し書き添えてもらうんです。

今度は、「写真にはどんな海が? 砂浜の風景ですか?」と尋ねてみましょう。

そしてAさん、こう書き加えたとします。(*赤字が新たに書き添えた部分)

「私には中学校から高校まで一緒だった山本さんという友だちがいます。その山本さんからもらった海の写真に感激しました。その海は沖縄県のどこかの海岸だったと思います。誰もいない白い砂浜があって、ビーチパラソルがいくつか。海はきれいな青。少し緑がかっていたかもしれない。とてもキレイだった。

これでまた、文は少し長くなりました。
海の風景が加わったので、Aさんが葉書を見て何に感激した?が、ぐっと伝わってきました。

こんな調子で「もう少し書き添えて!」とお願いし続けると、文はどんどん長くなっていきます。しかも、文の中身を豊かにしながら。

笑っちゃいますか? でも、この方法なら、長い文を書くことは簡単。

試してみてください。

上手に延ばすコツは、素(す)の言葉をそのまま使うこと。変にカッコつけたり、まとめたりしないで! 「それでぇ~」「あのとき~」な、しゃべり言葉でOKです。とにかく延ばしていきましょう。

やってみたら、確かに長く書けるようになったけど、テーマによっては進まないよ~(泣) になりましたか?

素晴らしい!よく気づかれましたね。(拍手)

この「部分を延ばせ」トレーニング、自分の体験ならスラスラですが、そこから離れた途端、難しく感じることがあります。原因はネタ不足。書くことないと、スラスラ書けない。

この壁をブレイクする、ネタ不足解消法!
次回は、そんな話です。


樹木の雄大さを伝えたくて、落葉の季節を迎えた大木に寄り添い、枝ぶりを描く。幹から太い枝、細い枝、空へと線を延ばす。そのイメージを写真で撮影。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛
樹木の雄大さを伝えるには? 大木に寄り添い、その枝ぶりを描くのも1つの手立てだと思います。幹から太い枝、太い枝から細い枝。空に向かって線をどんどん延ばしていくと…。この感覚、「書く」にも使えます。

読んでくれて ありがとう