海辺のイメージが浮かばず現実をチャージしに海へ。そして漁港と漁船を発見。写真の撮影場所は静岡県・由井港。桜海老漁の船かもしれませんね。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛

§07 詰まったら 現実へ


「できるだけ、たくさん書く!」ができる。
10分でも20分でも。1時間だって大丈夫。

「でも…」
そう、その通り。自分のストック、書けるネタが乏しいとき、「できるだけ、たくさん書く!」は行き詰まります。書いている内容が堂々巡りに陥って、ひどくツマラナク思えてきます。

この感覚は、大学での学び、とくに社会科学系の学びの中で、しばしば頭を擡(もた)げます。現実の欠乏というジレンマを伴いながら…。どういう現象か、少し説明しますね。

社会科学と呼ばれる学び(分野は、政治、法律、経済、経営、社会、文化…)は、世の現実に立ち向かう姿勢と術(すべ)の探求を目的とします。「まず現実あって」の学びです。

具体的にいうと…
経済を知るために経済を学ぶんじゃありません。人は経済(:稼いだり支払ったり)を伴(とも)として生きざるを得ないから、経済を学びます。

マーケティングも同じ。マーケティングを知るためにマーケティングを学ぶんじゃなく。ビジネスを幸せにするためにマーケティングを学びます。

なのに、教室という閉じた空間での議論は…
「○○とは!」「○○重要!」に終始しがち。
(雰囲気、受験参考書と似ているでしょ!)

このスタイル(言葉の意味や位置を問うだけ?)だと、議論というやつは、具体を捨て、抽象へと逃げ出します。

困ったことに、扱う言葉が難しいor意味不明であればあるほど、その逃げ足は速い。そして、いつの間にか…抽象にどっぷり浸かり、現実をすっかり忘れて(忘れることができるので)、いわゆる「象牙の塔」に閉じこもり…

本や雑誌、テレビやネットに書いてある事が現実だよね~という錯覚に陥ります。その息苦しさ、阿保らしさに耐えかねて、今度は「リアリティがないんだよ!」と叫んだりして。

リアリティ? まったく、何言ってんだか…。
せめて恰好つけないで日本語で言おうよ。真実味とか。現実味とか。


話を戻して。

「できるだけ、たくさん書く!」ときに感じるネタ不足って、こういう事です。

だから、ネタ不足解消の方法は明瞭。

現実を見つめましょう。あなたのテーマに関係する、あなたにとって重要な現実を見つめる。これでバッチリです。

現場に立つ。人に話を聞く。関連する資料を読む。方法は色々あります。

日本の誇る映画監督、溝口健二さん(亡くなられて久しい)は、こんなことを書いています。

「(映画の舞台となる)当時の制度の中で人間や女を描けるからね。今、吉井(勇)老人が西鶴の現代語訳をやっています。僕は期待している。学者のやったのは駄目ですよ。道楽をしていないもの」

時代考証、社会や人の描写に人一倍厳しかった溝口さんの言葉は、ネタ不足解消の金言です。

落語の名人、名人中の名人と云われた古今亭志ん生って人は、溝口さんとおんなじことをもうチョットくだけたカタチで言い遺しています。

「エェ、廓(くるわ)というものは、昔は若い人があすこへ行くってェと世の中の大概のことが判ってまいりますから」 だそうです(笑)

現実を見つめて(「さぁ廓へ」じゃ無く)、ネタ不足を解消しましょう。そうなれば、あなたの「できるだけ、たくさん書く!」は驚くほど豊かになっていきます。

あなたがネタで満たされたら…
今度は、上手に伝えたくなるはず。

だから次回は、表現のフレーズのを増やそう!
そんな話を書きます。


海辺のイメージが浮かばず現実をチャージしに海へ。そして漁港と漁船を発見。写真の撮影場所は静岡県・由井港。桜海老漁の船かもしれませんね。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛
もう何も思い付かない(泣) 原因が現実不足ならばチャージしに出かけましょう! 海辺のイメージが浮かばないなら Go To Sea! すると漁港や漁船に出逢えます。この一枚、静岡県・由井でパチリ。すると獲物は桜エビ?

読んでくれて ありがとう