柘榴の実の写真です。歩いていて発見しました。たわわに実をつけています。どれも美味しそう。さて今日は…。好きなものを自由に選べる。この余裕こそ豊かさの証拠。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛。

§08 フレーズを増やそう


「できるだけ、たくさん書く」トレーニングを続け、「ある程度、書ける!」「ネタも貯まった!」となった頃、あなたは、別の行き詰まりを感じているかもしれません。

表現がパタン化してツマラン!

という新しい行き詰まりに。

たとえば、こんな具合。

様々な例示をすらすらと書けるあなたがいて、
「たとえば、…」
「たとえば、…」
「たとえば、…」を、どんどん書く。

要点の箇条書きが得意なあなたがいて、
「第一に…」
「第二に…」
「第三に…」を、どんどん書く。


それは確かに…スラスラで巧いんですけど、
あなたはウンザリ。

「私の表現、カッコ悪!」
「正直、誰かのだったら読みたくない」
なヘキヘキ状態。

必然、「できるだけ、たくさん書く」トレーニングの起点「それで?」さえ、腹立たしくなってきます。だって、書けば書くほど自己嫌悪に陥るんですから。


この状態のあなたをピアノの演奏を例えると、こうなります。

あなたは、今までピアノが弾けませんでした。
それが今では、ド・ミ・ソの音を自由自在に弾くことができます。試しに弾いてみましょう。

♪ドミソミソミソ、ソミドミソ、ソドソドソソソ、ミドドミミ~♪

上手に弾けています。でも最近、ナンカ窮屈になってきたような…

ねっ、これと同じ。


新しい音が必要なんです!

解決のために、とりあえず。
人の弾いている音をもっと注意深く聴いてみます。すると…

あの人は違う音を弾いている。シ・レ・ソか。
シとレは弾いたことない。

この人は、ド・ファ・ラを弾いている。
なるほど、ファとラか!


そしてあなたは…
密かにシ・レ・ファ・ラを練習。暫くすると、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を弾けるようになるのでした。めでたし、めでたし。

今、あなたは、このポイントに近づいています。進歩したのです。


話は変わりますが、このピアノの下り、比喩と呼ばれる表現フレーズを使っています。このように、表現の手数、フレーズが増えると、「できるだけ、たくさん書く」は表情豊かになります。表現のフレーズ、増やしましょう!

その手法の1つ、
ボキャブラリー(語彙)を増やす

こいつの効果、かなり大。
言葉って、本当に色々あって、凄いですから。

たとえば「確かめる」は、場面・状況に応じていくらでも書き換えられます。不思議とピッタリくる「確かめる」があるんです。試しに少し言い換えてみましょう。

「感じる」「経験する」(この2つは身体的・現象的・♪Rock的)、「表す」(芸術的)、「試す」(スポーツ的)、「動かす」(技術的)、「診る」(医療的)、「根拠を求める」(法律的)、「働きかける」(行為的)、「影響を調べる」(分析的)、「検証する」「同定する」(自然科学的)。なんてね。

こんなのもあります。台詞(せりふ)の探求。
これは、小説家や映画監督が、もっとも得意とするところ。

たとえば、
好意を伝える場面があって、登場人物に「君が好き」と言わせる…にしても、彼らはそのまま「好き」なんて言わせません。

最低でも「○○さん、好きだ~~~~~!」くらいに仕立てます。

変わった所では、データ解析なんてフレーズもあります。

数値に表情を与えるんです。
趨勢の表現(□%の人が「はい」と回答)、関連度の表現(Aが増えるとBが減る)予測の表現(Cの数値が2ポイント増えるとDの値は5ポイント上がるだろう)が、よく使われます。


こうしたフレーズは無数にあります。フレーズはとても自由です。好きなように用いることができます。

色々なフレーズがあることを知ってください。知ったら、使ってみてください。使えるようになったら、自分のフレーズを作ってください。

その際は「自作で恥をかく」トレーニングを!
フレーズの見本集もありますが、囚(とら)われると逆効果。肝心の自由を失わないように!


さて、
表現のフレーズが増えると、「伝える」工夫が分かってきます。
「書く」流れが見えてきます。
次回は、そんな話です。


柘榴の実の写真です。歩いていて発見しました。たわわに実をつけています。どれも美味しそう。さて今日は…。好きなものを自由に選べる。この余裕こそ豊かさの証拠。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛。
柘榴(ざくろ)。たわわに実をつけて。どれも美味しそう。さて、今日はどれを食べよう? こんな余裕って大切です。特に「書く」は。表現のフレーズ、たくさん手にしてください。「考える」が豊かになります。

読んでくれて ありがとう