音楽と本は同じ。知識で読まず感じてください。その暗示として、本棚の角の奥にキーボードを隠してみました。旧オフィス「庵」での遊びです。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛。

§10 教科書を不要に


表現のフレーズが多彩になり、「書く」流れが読めると、もう大変!

「この著者、〇〇を伝えたいんだ!」が手に取るように解ります。


「あ~、この人、
 こんな風にゴチャゴチャ書いているけど、
 一番強調したいのはココなんだぁ~」
とか、

「この人は、いろいろ表現を変えてるけど、
 ずっと同じこと、
 繰り返し書いてるだけ~」
とか、

自然と判るようになっちゃうんです。

すると、
難しい表現がてんこ盛りの分厚い本が、
スラスラ読めます。


たとえば、ロー・オルダーソンWroe Alderson さんが書いた『マーケティング行動と経営者行為』という本がありまして、とても鋭い本なので、わたしの「流通システム」という講義で必ず紹介するんですが、これが訳本で549頁もあるんです。内容も一見すると難解なんです。

でもね、「書く」流れを想像できるようなると、オルダーソンさんの意図も読めるんです。

「みんなを幸せにする。それを可能にするのは誰?」がメイン・テーマだな、って判ります。

メイン・テーマが判ると、そのテーマに著者が意見をどう付け加えて全体を形作っていったのか?も解るようになります。頭はここで、首はここ。骨はここ、肉はどこ、が見えてきます。

そして最後には、「この著作(『マーケティング行動と…』(初版は1957年)と現在のビジネスが見えない糸でつながり、その糸はさらに未来まで延びて、そして…」という理解・紹介がサラリになって。


この感覚を手にすると、難しいと言われる本をドカスカ消化できちゃいます。「そんなに簡単じゃない!」と怒られるかもしれませんが、知りたい本質は、自分の肥やしとなる先達(せんだつ)の指摘であって、その辺は100%じゃなくてもお許しいただけると有難いです。
m(_ _)m


先へ進みましょう。
すると、難しい本の解説本というやつを、読まなくても済むようになりますよ。

マーケティング関連で言うと、あの『もしドラ』は要らない。元ネタを書いた、ピーター・ドラッカーさんの本を読めば済むから。

他にも、良いことが!

この力を使えば、教科書と言われる本が、どの論者のどんな言説で組まれている?も見通せます。「おまえのやったことは…」というわけ。

マーケティングの〝教科書〝だと、
フィリップ・コトラーさん編著『マーケティング・マネジメント』に仕込んである、「編」(他人の考えを借りた部分)と「著」(本人のオリジナル)の境界が分かります。

この「編」に言説を貸した一人、心理学者アブラハム H.マズローさんが説いた欲求段階説がマーケティングの教科書の中でどのように矮小化されていったのか?もバッチリ判ります。得るところ、大です。

世の中、間違った「受け売り」をしているケース、多々見かけますが、書いた本人の言葉に触れられる、あなたの方が確かです。行き過ぎた?言葉少な?な省略に惑わされる日々から解放されましょう。


そうなれば、
教科書・解説本の類が要らなくなります。同様に、用語辞典や最新キーワード集にもフフンになれます。「用語、知ってる=よくできました」が馬鹿らしくなってくるのです。

そんなあなたは、知の巨人たちと意見交換できるようになっています。

やってみます? ちょっとだけ。
次回は、そんな話です。


音楽と本は同じ。知識で読まず感じてください。その暗示として、本棚の角の奥にキーボードを隠してみました。旧オフィス「庵」での遊びです。|矢嶋ストーリー作品『I thinkでいこう』より。文と写真は矢嶋剛。
本はメッセージ。音楽と同じ。伝えたい事があるんです。その辺りを楽しめると、いろんな本が自由自在になります。そのとき気付くはず。教科書って、メッセージに乏しいからツマラナイだ!って。

読んでくれて ありがとう