§14 アクション・プランの達人に
§12から始まった
アイデアの磨き方パート。
今回は、
あなたのアイデアをNo.1にする
ときに必須のテク、アクション・
プランについて解説します。
前回の話(§13)を読んで、
わたしのアイデアをNo.1に!と
燃えているなら必読。
では解説します。
「なぜ、アクション・プラン?」
その理由から説明します。
No.1のために 譲れない条件
優れたアイデアと、その上に位置
するNo.1のアイデアは違います。
優れたアイデアは
「おぉ、これなら!」
な提案であればOKでした。
ところが、優れたアイデア(複数)
から選ばれるNo.1なアイデアは
現実問題を解決するベスト
であることを強く求められます。
というものも、以下のような問題が
起こるからです。(フィクションです)
ある街が、自分たちの街を住みよい街に
するためのアイデアを募集しました。
そして、車椅子の人の買い物に人が付き
添うアイデアが採択されました。すばら
しい着眼でした。アイデアは実行されま
した。車椅子サポーターをボランティア
登録し、彼らに車椅子の人が連絡すれば
手伝いに出向く。そんな制度を整えまし
た。制度はスタート。しかし上手くいき
ませんでした。ボランティアさんたちは
忙しく付き合う時間がなかったのです。
これでは困るのです。
着眼、着想はすばらしかったけど、
実際どうやるの?続けられるの?
この点をクリアすることが
アイデアにとってすごく重要。
No.1になるなら
絶対に譲れない条件なのです。
ですから考えましょう。
現実問題を解決するベストな方法。
いったい
何をクリアすればいいのでしょう?
その答えにたどり着くために
「解決とは?」をもう少し
深掘りしてみましょう。
解決とは…
解決とは何でしょう?
病気が治る。速く走れる。
たくさん書ける。(←§05に実例)
のように、その方法を実行できて
困っている根本が消えて無くなる。
これが解決です。
ですから解決はいつも具体的な現実
問題とつながっています。
(例 この腰の痛み、なんとかして!)
具体的な問題とつながっていない
「社会の×を△すべき」「×社会を
なくし…」風の大言壮語系や、
(軽薄コンサルティングにありがちな)
「問題のキーワードは△」「成功の
カギとなる要因 KSF は△」風な
一般論ぶん回し系のような
現実の問題解決と切り離した場所で
ブツブツ言っている議論や評論
(コンセプトワーク、社会環境分析、
シュミレーション、ガイドライン、
フレーミング、文明批判も同類)
は、解決とは無縁。
解決には必ず方法が伴います。
「解決できる」から解決なんです。
別の言い方をすると
方法の伴わない解決はあり得ない。
(忘却や先送りのような政治的テクは
もちろん解決ではありません)
そして方法には「◯〇までには…」
な期限が付きものです。
「100年後にはなんとか…」
じゃ無責任だからです。
ですから、期限も明示されます。
〇年〇月までと言い切れないなら、
手順A→B→C。
問題aを解決し→次はb→次はc。
こんな感じで
解決していく様子と行程を示す
が求められます。
つまり解決には
「計画」が必要なんです。
現実問題を解決するベストな方法が
だんだん見えてきましたか?
・具体的問題とつながっていて
・優れた方法があり
・期限を明示
これら全てを載せた「計画」こそ
その方法なんです。
この重要性、気づいてください。
ですから アクション・プラン
では、どんな「計画」を?
アクション・プランが
おすすめです。
シンプルで、わかりすく
有効で、どなたでも出来ます。
ではさっそく説明しますね。
アクション・プラン…
その構造は足し算なんです。
数式風に書くと、 な感じ。
理想を実現するために+行動しよう
具体的に描くと
次のようになります。
海外で働きたいから+外国語を勉強
〔理想〕 + 〔行動〕
商売繁盛を目指して+新製品を開発
〔理想〕 + 〔行動〕
なんとなく解りました? これが
アクション・プランの基本型です。
では、あなたのプランを
早速、描いてみましょう。
次の空欄を埋めてください。
「 」理想 + 「 」行動
できましたか。
はい、OKです。
(アクション・プラン、できました!)
では、次のステップに進みます。
プランの素晴らしさをチェックします
ポイントは2つ。
①〔理想〕は具体的ですか?
〔理想〕が漠然としていると、
〔行動〕がアヤフヤになります。
次の例を見てください。
Bigになる! + ………
〔理想〕 + 〔行動〕
これじゃ実行も何もありません。
アクション・プラン以前です。
〔理想〕は具体的に!
②〔行動〕は実行可能?
勉強やって、部活もやって、
一日の睡眠時間は4時間!
は無理。
今期、全員が前期比200%を
売り上げるぞ! も無理。
〔理想〕+〔行動〕が
〔理想〕+〔理想〕に
ならないように!
でも、この〔理想〕+〔理想〕、
よくやっちゃいます。
ですから、以下の言葉、
(続けられる?)「三日坊主」と
(無理はダメ)「選択と集中」は
警句そして格言になりました。
この2つの言葉は、アクション・
プランのクオリティを高めて
くれる金言なのです。
小さなことから コツコツと
ということで、
もうおわかりですね。
アクション・プランは、
実行可能が生命線!
誇大妄想は論外です。
この感性、ビジネスでも。
ビジネス世界で有名な、PDCAや
kaizen(改善)と呼ばれる業務改革
系のアクション・プランは
小さなことからコツコツと主義で、
誇大妄想病を防止できるから
役に立ち、有名になったのです。
以上、
ビジネス界からの成果報告でした。
(以下、ご参考までに)
PDCA:Plan→Do→Check→Action
の略。工場の業務を理想通りに進める
(:生産性を高める)ための点検に
主眼を置いたアクション・プラン。
kaizen:改善:トヨタ自動車が
始めた工場のアクション・プラン。
個々の業務を極限まで効率化する。
さぁ、あなたのアイデアを
アクション・プランのイメージ
つかめましたか?
なんとなくで十分です。
つかめたら、あなたのアイデアを
さきほど解説した基本型
「 」理想 + 「 」行動
に埋め込んでください。そして、
現実問題を解決するベストな方法に
なっているか、自問してください。
慣れるほど、アクション・プランが
わかってきます。同時に、あなたの
アイデアがNo.1の高みへ! を
感じていただけるはずです。
そして、いつの日か、
アクション・プランの達人に
なってください。
その一助として、よくある失敗例を
オマケ的に添えます。
(あなたには釈迦に説法かも?ですけど)
ということで 失敗例
アクション・プランという発想を
徹底しなかったダメダメなプラン、
(=もちろんアイデアとしてもダメ)
必ず失敗する典型パタンをとして
2つ紹介します。
1 理想曖昧→自己崩壊
〔理想〕をカタカナや外国語などで
抽象的に表す、コンセプト主導の
プロジェクトにありがちな失敗。
〔理想〕を抽象的にしておけば、
(例 エコ、メディア、ジャパン、…)
後で色んな〔行動〕を押し込める。
それってプロジェクトの規模拡大も
できる。お金、たくさん動く~。
参加者をあとで広げるのも簡単!
こう考えてプランを実施!
狙い通り、っぽい〔行動〕が
てんこ盛り盛り!
「なんかビッグ!」な
プロジェクトに大満足。
ところが…
〔行動〕が多彩になり過ぎて、
何してんだか、分からなくなって。
今回の〔理想〕って元から抽象!
目標は最初から視界不良じゃん!
仕方ない!が罷り通るようになり…
「駄目だ、こりゃ!」な末路へ。
トホホ。
2 理想は後付け→尻すぼみ
地域振興など長期を要する案件。
本来なら、じっくり腰を据えたい
ところですが、予算とか色々あり、
その場だけ盛り上がるイベントや
施設建設でお茶を濁すことに…。
そんなアクション・プランは、
たいてい〔行動〕が先に決まって、
後付けで〔理想〕が付け足され、
強引にアクション・プランの体裁を
整えます。ですから当然…
イベント:次回以降は考慮せず。
施設 :完成したら終了。
こんな雰囲気が最初から濃厚。
「次の展開を考えましょうよ」
「ここまで来たら!」
な声が出ても
「もう終わったの。終わりぃ~」
「予算ないの。わかる?」
な声に打ち消され…
「駄目だ、こりゃ!」の繰り返し。
どちらも本当によくある話。
アクション・プランを描くときの
戒めとしてください。
(おしまい)
初めての料理は失敗しがち。料理も
アクション・プラン次第なのです。
(わたしの手作りピザも です)