§16 ノート(気づき)は短く
因果を旅し 、(§15)
因果関係が得意になると…
あなたは、いろいろなことを
(ときには突拍子もないことさえ)
関連づけて考えることが
できるようになります。
「あれと、これ。つながってる?」
「それと関連あること、知りたい」
になれます。
うーん。すごい。
そこで、そんなあなたにぴったりの
ノートの取り方をお教えします。
名づけて、最上ノートの取り方。
あなたのノート(気づき)を
どんどん書き留める、追加できる
ノートの取り方。
ノートのグレードを最上級へ
あなたのノートの取り方を
シフト・チェンジしてください。
以下の通りにするだけ。簡単です。
最上ノートの取り方1
文はとにかく短く。
これが基本です。
理由を、実例を挙げて説明します。
以下の2つのノート、①と②を
比べてください。
ノート①
事件Aは、2015年6月30日の夕方
4:00頃、東京都渋谷区■■にある
カフェ「ぶんぶん」で発生した。
ノート②
・事件A
・15/6/30 16:00
・渋谷区■■
・カフェぶんぶん
①と②、書かれている内容は同じ。
でもノートとしては別物です。
①はダメ。②が最上です。
理由。①は、1つ文章になってい
ます。それが長い。だらだらです。
だから内容の印象が薄まり、記憶に
残りにくくなるのです。
片や②は文が短い。箇条書き。1つ
1つの印象が強い。思い出せる。
長く描くのは厳禁。
忘れるし、読む気も失せ、
「書いたけど、何だったっけ?」
で忘却の彼方へ消え去るのがオチ。
ですから短く。
長ければ、ぶつ切りに。
②な感じで書いてください。
最上ノートの取り方2
余白をたくさん。
これ、すごく大事です。
学業成績優秀な人にありがちな
「ノートブックに隙間なく字」。
あれ、やめてください。
というもの、ノート(気づき)って
いったん書き終わった後に、次々と
生じるものだから。
例を挙げましょう。
授業で板書を写している自分を
思い出してください。
写しているときって「とりあえず
書き洩らさない」に集中します。
ですから内容を想う余裕なし。
「あれってぇ?…」を思えるのは
たいてい授業が終わった後。
気づきも、当然、その後に。
そのとき、その気づきを
ノートブックに書き込むから
「ノートはノート」になるんです。
ですから、余白は大事です。
ここでもう一度、先ほど
例にあげたノート②に
注目してください。
②のスタイルは、
この余白の点でも優れています。
書いたことの周りに書き足すスペー
スがいっぱいあります。ですから、
こんな書き込み追加が可能です。
(赤字が書き足した部分)
・事件A
・15/6/30 16:00 小雨
・渋谷区■■ 近くに○○高校
・カフェぶんぶん 人気?
パンケーキ、おいしい
こんなノート更新。
それを可能にするのが
最上ノートの取り方です。
余白はそのための重要な要素。
ですから、余白、大きく空けて!
最上ノートの取り方3
めざせ、鳥瞰(ちょうかん)
(鳥のように空から眺めよう!)を
心掛けてください。
そのためのテクニックとして
眺められるように描く!を
意識してください。
「書く」んですけど
「描く」んです。
書き込む言葉や文を
絵の一部にしちゃうんです。
実例を挙げましょう。
日本史のノートは地図のように
描いてみるんです。
たとえば、
1500年代後半の戦国時代、
「甲斐の武田信玄は…」を
地図にします。
描き方は簡単。
甲斐だから山梨県の地図を描いて、
拠点だった甲府の場所に〇を書く。
これでなんとなく武田信玄の領土が
わかります。あとは地図にノートを
どんどん書き込んでいきます。
同時の交通事情は?
隣国は? 誰が領主?
ある程度書き込んだら、地図全体を
ぼうっと眺める。
するとわかる。大きくわかる。
そして忘れなくなります。
ただ文字を連ねるより、全然マシ。
文章だど実態がよくわからないし、
「暗記したけど甲斐って、どこ?」
で終わるけど、そうはならない。
(疑う人は世界史で試してください!
古代エジプト、ローマ帝国。あの
ゴチャゴチャがスッキリします!)
わかるだけでなく、
新たな気づきも
たくさん生まれます。
先ほどの、後から気づきを追加した
ノート②を例に説明しますね。
後から気づき追加したノート②、
以下の状態でした。
・事件A
・15/6/30 16:00 小雨
・渋谷区■■ 近くに○○高校
・カフェぶんぶん 人気?
パンケーキ、おいしい
この②を今度は、地図のように
眺めてみるのです。(= 鳥瞰)
書いたことを一つ一つ見るのでは
なく、全体をぼうぅと眺める。
ぼうぅ~~~~~~
そしてノートブックから目を離し、
上を向き、空でも眺めてください。
(なんかスタバに向いてそう!)
そうすると、ピンと来ます。
「もしかすると、傘を差した帰宅
途中の○○高の生徒が事件を
目撃しているかもしれない」
そんな発想を
導きやすくなるのです。
ですから、後で全体をゆったり
眺められる、この最上ノートを
使ってほしいのです。
名刑事&名探偵は ノート名人
ところで、このノート②、
記憶にありませんか?
これ、名刑事や名探偵が
小説やドラマで使っている
アレ(手帳)です。
彼らがポケットから取り出し、
パラパラめくる、汚い手帳。
(コロンボ警部は自分のずぼさらを犯人に
印象付けるためわざとメモ用紙を使用)
(ポアロさんやミス・マープルさんは
ノートを頭の中で付けて、謎解きの
瞬間まで秘密にしていますけど)
など、いろいろありますが、彼らは
ノート②を使っています。
なぜでしょう?
彼らは、ノートの名人なのです。
・捜査の途中で判明した新事実を
書き足す
・捜査が行き詰まったら、事実全体を
眺めて突破口を探す
こうした事は当たり前なので、
自然とノート②を選択してしまう
のでしょう。
彼らのノート、見たいですよね。
でも秘密だから、ここでは、
松本清張さんの名作ミステリー
『点と線』で刑事が書いた
ノート②を例示します。
・心中した男は
・●月〇日▲時△分に
・■に居た
・心中相手の女は
・●月×日◇時◆分に
・□に居た
このノート②をあらためて眺めた
刑事は「この心中は怪しい」に
気づき、事件を見事に解決します。
(どういうことか、わかりますか?
〇日と×日がヒント。みなさんも
推理してください!)
さぁ、あなたも!
名刑事&名探偵のように
ノート②を
使いこなしてください!
ノートブックの選び方
ところで、
書き留めるノートブックは
紙がいいと思います。
デザインは白紙がいいと思います。
罫線や方眼の線が、書く「自由」を
制約するからです。(横に線が引いて
あると、横書きになるでしょ!)
ただし、図形やグラフを描くとき、
方眼があると便利です。そこで、
中の人は、線が細くて淡い、うる
さくないデザインを選んでいます。
たとえば、これ。
ウェブサイト制作の学習用ノートの
実物です。
(§01でお見せした写真です)
紙製で中型。自由に書き足せます。
紙質は、使うペンが滑らかに走る
ものを選んでください。
ペンが滑らないと、書くペースが
乱されますから。
写真のノートブックは、一緒に映っ
ているシャープペンシルを使うので
それに合った紙質を選びました。
皆さんもぜひ、
マイベストなノートブックを
使ってください。
デジタルなノートブックについて
最後に、タブレットやスマホ、
パソコンを使った、デジタルな
ノートブックについて書きます。
最近では、ノートブックというと
・タッチペンとタブレット
(中の人も使用しています)
・スマホのメモAPP
・PCで入力(例 word)
を思い浮かべる人が多いからです。
実際に使用して感じますが、
こうしたデジタルなノートブックも
かなり使いやすくなりました。
けれど…
ここで説明した最上のノートは
やっぱり紙のほうが向いています。
というか、紙に勝てません。
その理由。
・自由に書けない(テキストボックスを
作成移動させる手間、タッチペンの反応
の鈍さ)
・面積が狭い(ディスプレイのサイズが
すべてを決定。狭さは記入描画を制約し
思い付きを妨げます。スマホが最悪)
・持ち運びが不便(小さく軽くなった
けど、紙と比べて大きいし重い。コンセ
ントを求めてカフェに行くのも嫌)
・値段が高い(使えないのに高額です。
紙のノート、シャープペン、消しゴム。
合計でいくら?)
ざっと考えても、これだけの制約が
デジタルなノートブックにはありま
す。でも何よりも最悪なのは「ひど
いノート」の強制表示です。
以下の状況に遭遇したこと、
ありませんか?
会議。AがノートPCを持ち込み、
その場で入力し始めた。未整理で
垂れ流し文章の数々。その最悪を
プロジェクターでみんなに見せる。
議事録のように見える。違うけど。
Aのセンスと能力(低い)に会議が
支配されてていく。キーを叩く音が
うるさいなぁ。
この手のノートは本当に最悪。
キーを打つ本人はどう勘違いしたの
か「自分=仕事ができる」と恍惚。
最悪のノートを他人にばらまき押し
付ける「迷惑さん」になっている
ことに気づかない。
あなたは、
そうならないでくださいね。
(最近、気になるので書いてみました)
アイデアの磨き方パート 修了!
ということで… 以上をもって…
§12から始まったアイデアの磨き方
パートは今回でお終いです。
お疲れ様でした。
自分の考えや意見を表明する力は
十分身に付いたことでしょう。
そんなあなたに、あらためて
大切な話をしたいのです。
培った力で、自分らしく。
自分の考えや意見を表明して、
自分らしく生きましょう。
この話へ舵を切りたいと思います。
ですから次の§のタイトルを
I thinkでいこう にしました。
このサイトと同じタイトル。
話は本題へ向かいます。
(おしまい)
この標識も最上のノート。
さくっと表現。それなのに
印象に残るし、考えさせら
れます。すてきだなぁ〜。
(静岡県で初遭遇しました)